幼児用の施設と高齢者の介護施設一体となった施設を、幼老複合施設といいます。核家族化が進む近年において、同じ建物内で幼児と高齢者という異世代が交流を持つことにはメリットがあります。幼児にとっては、高齢者との交流で学校等では得難い知識・思いやり・マナーなどが育まれることが期待できます。高齢者にとっては幼児との交流が生きがいになり活動量も増加し、身体への良い影響や脳の活性化につながるといえます。
しかしメリットばかりではなく、注意点にも目を向けるべきです。複合施設では、介護だけでなく保育の面の知識も必要になります。幼児と高齢者では認知機能や身体能力、判断能力に違いがあることを踏まえ、施設内での事故などのトラブルに注意が必要です。また、幼児と高齢者は成人に比べて体の抵抗力が弱いため、感染症のリスクにも注視しなければなりません。
幼老複合施設での介護職の仕事内容は、幼児と高齢者のお世話です。幼児は乳幼児から小学生頃までを対象にする場合もあり、食事・お昼寝・着替え・排泄補助・学校宿題のサポート・遊びがメインです。それらを通して、心身の成長と集団生活でのマナーや社会性を育みます。場合によっては幼児の世話を高齢者と協力して行うこともあります。高齢者のお世話は、食事補助・排泄補助・散歩や体操等の軽い運動・リハビリ・入浴介助等が主です。
幼老複合施設での仕事は、幼児と高齢者のお世話だけに留まりません。図画工作や体操等の軽い運動などのレクリエーションやイベントの企画・運営を通して、幼児と高齢者の異世代交流を図ることこそ幼老複合施設で働く職員ならではの仕事なのです。